理不尽な要求や言動“ハラスメント” 従業員に深刻な被害
顧客や取引先からの理不尽な要求や言動が“ハラスメント”として従業員に深刻な被害を与えている。
近年、日本でも社会問題として注目されています。
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?
カスタマーハラスメント(customer harassment) は、顧客・取引先がサービス提供者や従業員に対して行う次のような行為を指します。
厚生労働省の考え方
厚生労働省の「カスタマーハラスメント企業対策マニュアル」では、以下のように説明されています。
顧客からのクレーム・要求のうち、要求の内容自体が不当/達成手段・態様が社会通念上不相当で、それが従業員の就業環境を害するもの。
つまり、合理的なクレームや要求なら対応すべきですが、不当な要求や態度が従業員の尊厳・安全を脅かすものは「ハラスメント」とみなす、という基準です。
代表的なカスハラの具体例
企業や法律関係者が取り上げる例として、次のようなものがあります。
理不尽・不当な要求例
故障でもないのに無料サービス・全額返金を強要
土下座や謝罪を強要
記載のない追加補償を「当然」として求める
無関係な要求を繰り返す(例:他人のミスをなすりつける)
威圧的・攻撃的行為
大声での罵声・威圧
脅しや暴言、ネットでの名誉毀損・誹謗中傷
長時間拘束・立ち退き拒否など現場の業務妨害
性的嫌がらせ、差別的発言や行為
なぜ社会問題になっているのか?
大規模調査では、サービス業の従業員の約4〜5割が直近2年間でカスハラを経験したと答えています。
社会の対応と法制度の動き
法・条例の整備
東京都では日本初の「カスハラ防止条例」を制定し、2025年4月に施行されました。
企業・団体に対して従業員の保護体制整備を求めています。
国レベルでも法改正が進み、企業にカスハラ防止措置(相談窓口設置・対応方針策定など)が義務付けられつつあります。
企業側の対応
多くの企業がカスハラに対応する社内ポリシー策定。
研修・対応マニュアル整備や明確な線引きと毅然とした対応といった取り組みを進めています。
クレーム対応とカスハラの境界線はしばしば曖昧になる。
顧客の要求が正当かどうか、手段や態度が社会通念上許容されるかという判断が現場では難しい場面があります。
適切な対応には、具体例の共有や社内基準の設定、適切に記録を残すなどがポイントになります。
参考資料 Yahooニュース カスハラはなぜ起こる? 客の資質、会社の方針…引き金は三つの“ミスマッチ”
