金属価格の高騰で歯医者が赤字に
銀歯を作成するにあたって、歯科医院が赤字になりやすくなっている。
背景に金属価格の高騰がある。
「銀歯」は実は“貴金属の塊”
一般に「銀歯」と呼ばれますが、実際に使われているのは金銀パラジウム合金です。
主な成分は、パラジウムや金、銀、銅などである。
この中でも、特に問題なのがパラジウムと金です。
金・パラジウム価格が異常な高騰
近年、以下の要因で価格が急騰しました。
パラジウム
自動車の排ガス浄化装置に不可欠でロシア依存度が高く、ウクライナ戦争で供給不安となっている。
一時は 1g あたり 1万円超 まで上昇した。
金
円安や世界的なインフレ、地政学リスク、中央銀行の金買いがある。
結果として、歯科材料費が数年前の 1.5〜2倍 になるケースもあります。
保険点数はすぐに上がらない
ここが最大の問題です。
銀歯は公的医療保険の対象であり、価格(診療報酬)は国が一律に決定する。
改定は原則 2年に1回となっている。
つまり、材料費が急騰しても、歯医者は患者に価格転嫁できないという構造です。
銀歯1本で「赤字」になることも
具体的には、国から支払われる銀歯1本の報酬は、ほぼ固定。
実際のコストは、金銀パラジウム合金、技工士への外注費、人件費・光熱費。
材料費だけで報酬を食い潰してしまい、場合によっては 1本入れれば入れるほど赤字という逆転現象が起きています。
歯科技工士にも打撃
歯医者だけでなく、技工士が材料を立て替えている。
そのため、価格転嫁できず廃業する場合もある。
価格高騰により、歯科医療の土台そのものが弱体化しています。
なぜ「銀歯をやめよう」という流れが出るのか
こうした事情から、銀歯を避けてCAD/CAM冠(白い保険素材)や自費のセラミック、「金属を使わない治療」への誘導が増えています。
これは単なる審美性の問題ではなく、経営的に成り立たないという現実的理由が大きいのです。
現状、歯医者は「銀歯を入れるほど赤字」という歪んだ状況が生まれている。
歯医者や歯科技工士にとっては厳しい環境となっている。
参考資料 Yahooニュース 「銀歯1本で赤字6300円」貴金属高騰で歯科医が悲鳴 金1グラム3万円の影で“パラジウム”も高騰【Nスタ解説】
