東京23区のマンション 定期借家の賃貸が1割に
東京23区にあるマンションで、定期借家による賃貸契約が1割になった。
定期借家とは何か(普通借家との決定的な違い)
定期借家契約
契約期間があらかじめ決まっている(例:2年、3年)。
期間満了でいったん契約は終了し、再契約は「大家と借主の合意」が必要となる。
再契約時に、家賃や条件を自由に見直せる。
普通借家契約(従来型)
契約更新が前提となり、借主は強く保護される。
家賃引き上げは「正当事由」が必要で、交渉も長期化しがちとなる。
家賃を上げやすいかどうかが、両者の最大の違いです。
なぜ今、都心で定期借家が急増しているのか
修繕・管理コストが急上昇
建築資材価格の高騰
人手不足による修繕費・清掃費の上昇
固定資産税・管理委託費の増加
があげられる。
普通借家だと、「コストが上がっても、家賃に反映できない」。
定期借家なら、「再契約時にそのまま家賃に上乗せ」できる。
貸し手からするとリスク回避手段になります。
都心は「借り手が強気になれない市場」
東京23区のうち、特に、港区・中央区・千代田区や山手線内側、駅近・築浅マンションは慢性的な供給不足。
「更新できないなら引っ越す」と言われても、次の入居者がすぐ見つかるために大家が強気に出やすい。
富裕層・法人・短中期需要と相性がいい
定期借家はもともと、転勤族や外国人駐在員、法人契約、高所得単身・DINKsと相性が良い契約形態。
最近は、タワマンや高級賃貸、分譲マンションの賃貸化で積極採用され、都心ほど比率が上がる構造です。
数字で見る広がり
東京23区では、2023年:5.8% → 2025年:10%超となっており、わずか2年でほぼ倍増。
これは単なる流行ではなく、「家賃が下がりにくい構造に移行している」ことを示します。
今後は金利上昇で、投資家は利回りを重視していくことになる。
他方、マンションの新築供給は鈍化し、修繕費は下がりにくくなる。
そのため、定期借家は都心でさらに増える可能性が大きい。
特に、築10〜20年の分譲マンション賃貸や、タワマンのオーナーチェンジ物件で顕著になると見られます。
定期借家の拡大は、「家賃が上がりやすい都市構造への変化」そのものである。
借り手にとっては見えにくいリスクですが、都心で部屋を選ぶ際は「契約形態」を最優先で確認すべき時代に入っているといえる。
参考資料 日本経済新聞 家賃上げやすい「定期借家」マンション、都心の1割に インフレに拍車
