夫婦で住宅ローンを組む「ペアローン」離婚時のトラブル多発
夫婦で住宅ローンを組む「ペアローン」や「収入合算」が増える一方で、離婚時のトラブルが非常に起きやすいことに注意が必要だ。
なぜペアローン・収入合算が増えているのか
住宅金融支援機構の2025年4月調査では、ペアローン+収入合算の利用が約4割に達しました。
主な背景は次の通りです。
① 住宅価格の高騰
新築・中古ともに価格上昇
都心・駅近では片働きの年収では借入限度額が不足
「共働き前提」でないと購入できない物件が増加
② 金利と返済期間の長期化
超長期ローン(40~50年)の登場
それでも単独では希望額に届かないケースが多い
③ 税制メリット
ペアローンは夫婦それぞれ住宅ローン控除を満額使える
共働き世帯にとって節税効果が大きい
ペアローンと収入合算の違い
離婚時の影響が大きく異なります。
ペアローン
夫・妻がそれぞれ別の住宅ローンを契約
物件は共有名義(持分は借入額に比例)
お互いが「主債務者」のため、 離婚しても相手のローンから逃げられない
収入合算
ローン契約者は1人(主債務者)
配偶者は「連帯保証人」または「連帯債務者」のため、名義人でなくても返済義務が残る
離婚時に起きやすい具体的トラブル
① 住まない家のローンを払い続ける
離婚後、どちらかが家を出る
しかし、ローン名義が残る限り、返済義務は継続
「元配偶者が住んでいる家のローンを払う」事態もある
② 売りたくても売れない
価格下落や諸費用で売却しても、ローンが残る(オーバーローン)
金融機関は「名義人全員の同意」がないと売却不可
感情的対立で合意できず、膠着状態に
③ 片方が払わなくなるリスク
元配偶者が失業・再婚・支払い拒否
ペアローンでは自分の信用情報も傷つく
最悪の場合、連帯して差し押さえ
④ 持分と負担のズレ
例:持分50:50だが、実際の返済は夫7割・妻3割
離婚時に「財産分与」で大揉めになる
なぜ「想定外」になりやすいのか
多くの夫婦が次の前提で考えています。
「離婚しない前提」で契約
「その時は話し合えば何とかなる」
「家を売れば解決する」
しかし実際は、金融機関の契約>夫婦の話し合いであり、感情問題が絡むと調整が非常に困難です。
ペアローン利用は離婚時のリスクを考えると、単独ローンより格段に高い。
「借りられる額」ではなく、「離婚しても処理できるか」で判断することが重要となるため、契約時において慎重に考える必要がある。
参考資料 ペアローン、離婚後は2人分を返済 売却模索も買い手つかず
