都心の住宅高騰で返済期間を超長期に 東京都の20代世帯で多い
都心の住宅価格高騰を背景に、「夫婦で借りる」「返済期間を超長期にする」というローンの組み合わせが、東京都の20代世帯で急速に広がっています。
なぜ「夫婦×超長期ローン」が増えているのか?
1. マンション価格の急騰
東京23区の新築マンション平均価格は1億円前後が常態化。
中古も連動して上昇し、「1人の年収では借り切れない」水準に達している。
2. 単独ローンでは審査が通らない
住宅ローンは「年収倍率7~8倍」が目安となる。
例:年収600万円 → 借入上限は約4,000~5,000万円となり、都心では到底足りない金額となっている。
3. 金利上昇局面でも「月返済額」を抑えたい
返済期間を35年→40年→50年と延ばすことで、月々の返済額を強制的に圧縮。
共働き前提で、「今払える額」を最優先にしている状況がある。
夫婦で借りる主な形態
1. ペアローン
夫・妻がそれぞれ別のローンを組む。
双方が住宅ローン控除を使えるため、節税メリットがある。
ただし、双方が全額に対して返済義務がある。
2. 収入合算(連帯保証・連帯債務)
主債務者+配偶者の収入を合算。
控除は片方のみとなる(商品による)。
都心の若年層では、「ペアローン+40~50年返済」が増加している。
超長期ローン(40~50年)の実態
現在利用できる主な年数
35年、40年、45年があり、一部金融機関では最長50年がある。
50年ローンの特徴
借入開始年齢:20代前半~後半が中心。
完済年齢:70~80歳。
「新婚→子育て→定年→老後」まで返済が続く。
まさに、「新婚から金婚式まで住宅ローン」という表現が現実になっています。
メリット(なぜ選ばれるのか)
月々の返済額を下げられる。
例:8,000万円・金利1.5%。
35年:約24万円/月。
50年:約19万円/月。
→ 約5万円の差となる。
希望エリア・希望物件に住むことができる。
職住近接。
保育園・教育環境。
資産価値の高い都心立地。
共働き前提の合理的判断となっている。
「2人で稼ぐ前提なら2人で借りる」という考え方が根底にある。
リスク
1. 離婚リスク
ペアローンは離婚してもローンは消えない。
そのため、片方が住まなくなっても返済義務だけ残る。
売却しても残債割れ(オーバーローン)になりやすい。
2. 収入減少リスク
出産・育休
転職・病気
どちらかが働けなくなると即家計が不安定になってしまう。
3. 定年後も返済が残る
年金生活+住宅ローンという構図となる。
繰り上げ返済できないと老後資金を圧迫してしまう。
4. 総返済額が大きくなる
期間が長いほど、利息総額は膨張する。
「払える」と「合理的」は別問題。
今後は都心の価格が下がらない限り、「夫婦×超長期」は定着していく。
一方で、金利上昇や離婚増、老後ローン問題が社会問題化する可能性がある。
専門家の間では、「住宅ローンが“人生設計ローン”になっている」とも言われています。
住宅購入が資産形成というより“長期拘束”に近づいているため、購入をする場合は慎重な検討が必要となる。
参考資料 日本経済新聞 都内20代の住宅ローン「夫婦で超長期」2割弱に急増 50年返済も
