法人対象の税務調査 追徴税額が多いのはどこ?
国税庁は、2024年度における法人を対象とした税務調査で、法人税+消費税の追徴税額が 3407 億円 に達したと発表しました。
これは過去15年で最高額となり、前年度比では 約 6.6% の増加となった。
なぜ“過去最高”になったのか?
追徴税額の増加の背景には、国税庁による「AI(人工知能)/データ分析」の本格活用があります。
AIによる「調査先の選定」
国税庁は、マイナンバーや法人番号、過去の申告データ、財務情報などを活用。
これらをデータとしてAIで解析し、「申告内容に不自然さや異常値がある会社」「過去の指摘履歴などから“リスクが高い”と判断される会社」を優先的に抽出しています。
つまり、従来のような“ランダム調査”ではなく、「リスクの高い会社を“ねらい撃ち”する」方式にシフトしている。
これによって、調査件数を抑えつつ、効率よく不正や申告漏れを発見できるようになったようです。
経費処理や経理の不自然な“傾向”を検知
特に「従業員の出勤表や経費の処理」「架空の人件費/経費の計上」「消費税の不正還付」「過剰な還付請求」などについて、AIが異常なデータの組み合わせや過去傾向とのずれを検知。
これが不正・申告漏れとして「調査対象にすべき」と判断される材料になっているようです。
また、2026年以降には新しい税務管理システム(報道では「KSK2」)への全面移行が予定されており、横断的な情報管理・分析体制がさらに強化される見込みである。
これにより、税目や法人・個人を跨いだデータの照合が可能になり、不正の検出精度やスピードがさらに高まるという説明があります。
摘発されやすい業種の例
バー・クラブ
法人税の税務調査で、「不正発見割合」がもっとも高い業種と報告されています。
その他の飲食業(レストラン、居酒屋など)
バー・クラブに次いで、不正の発見割合が高かった業種。
「消費税還付申告法人」「輸出取引を含む法人」「海外取引法人」など
特に消費税の還付申告をしている法人、あるいは輸出輸入や国際取引を行っている法人は、税務調査の対象として注目されやすいとされます。
国税庁は法人税・消費税だけでなく、今後は相続税など他の税目にもAIを活用して調査を強化する方針です。
報道によれば、2025年夏から相続税でもAIによるリスクスコア付けが本格化する予定とのこと。
よって、企業に限らず、個人の税務申告・相続も含めて、「申告内容の正確性」「帳簿・記録の整備」「証憑の保管」がこれまで以上に重要になると見られています。
参考資料 Yahooニュース 追徴税額が過去最高3407億円…不正発見の割合「バー・クラブ」62.3% 2022年からAI活用で架空“計上”把握 国税庁
