法定養育費制度 子ども1人あたり月額2万円 施行は2026年5月前後予定
法定養育費制度の法改正により、子ども1人あたり月額2万円 を「法定養育費」の基準とする方針を提示しました。
施行は 遅くとも 2026年5月 までに行われる見込みです。
法定養育費とは
法定養育費とは、離婚時に父母の間で養育費の金額について合意がなかった場合でも、子どもの監護を続ける親(同居親)が別居または離婚した親に対して、法律上「一定額」の養育費を請求できる仕組みです。
これまでは養育費を請求するには両親の協議や家庭裁判所での調停・審判が必要でしたが、その手続きを経ずとも請求できるようになる点が特徴です。
導入時期と背景
この制度は、2024年5月(改正民法の一部見直し)の法改正で導入が決まりました。
施行は 遅くとも 2026年5月 までに行われる見込みです。
導入の背景には離婚時に養育費の取り決めがされず、その後養育費を受け取れない「養育費未払い・不受給」の問題が多くあったことがあります。
月2万円/子ども1人あたりについて
2025年8月29日付で法務省が省令案をとりまとめ、 子ども1人あたり月額2万円 を「法定養育費」の基準とする方針を提示しました。
ただし、この「2万円」はあくまで 暫定的・補助的な最低限の支援 を想定したもので、親同士で適切な金額を改めて協議・決定することも可能です。
また、2万円を下回る合意や、裁判所審判で異なる金額が決まる可能性もあります。
未払い対策の仕組み
もし養育費の取り決めが行われなければ、法定養育費として自動的に請求権が発生します。
さらに、改正で、養育費の債権に「先取特権」 が付与されることになりました。
これにより、養育費が未払いとなった場合にも、別途調停・審判を経ずに相手の給料や預金の差し押さえを申し立てやすくなります。
差し押さえ可能な上限額は、子ども1人あたり月額 8万円とする案が示されています。
どんな場合に使えるか
離婚や別居の際に、 養育費の取り決めをしなかった 場合に使う制度です。
協議離婚か、裁判離婚かは問いません。
養育費を請求できるのは、 離婚後も子どもを実際に育てている親(監護親) です。
親権や戸籍上の扱いにかかわらず、現実に子どもを育てていることが要件となります。
請求できる期間は離婚の日からとなります。
そこから、新たに養育費を取り決めた日/裁判所で審判が確定した日/子どもが成年(18歳)に達した日のいずれか早い時点までとなります。
「月2万円」という水準は、子どもの “最低限度の生活を維持するための標準的コスト” を根拠にしたものとされています。
しかし、この金額はあくまで「暫定」なので、両親が協議して実情に応じた金額を改めて決めることが前提です。
特に教育費・医療費など、子どもの成長に必要なコストは別途配慮・取り決めが求められます。
また、制度が始まった後でも、支払いを確実にする仕組み(差し押さえ、先取特権)の利用、あるいは支払い能力の有無に応じた柔軟な対応が重要になるでしょう。
