AIおばあちゃんDaisy AIはどのように詐欺を撃退するのか
最近話題になった「AIおばあちゃん(Daisy)」は、どのようにして詐欺を撃退するのか。
Daisy(「AIおばあちゃん」)とは?
Virgin Media O2(英通信事業者)が作った「Daisy」は、詐欺師からの電話にわざと出て、詐欺師を長時間話し続けさせて時間と手間を奪うことを目的に設計されたAI人格です。
実在の高齢女性を装い、編み物や孫の話などで相手を引き止めることで、詐欺が実際の被害者に届くのを防ぎます。
具体的にどうやって撃退するのか
「おばあちゃん」人格で会話を引き延ばす
Daisyは「78歳の気さくなおばあちゃん」という人物像を演じる。
詐欺師が期待する“簡単に口座情報を引き出せそうな相手”に見せかけてわざと鈍く・よく喋ることで、相手の時間を浪費させます。
高度な音声合成+自然言語理解(TTS/NLU)で“らしく”話す
リアルな声と間(ま)、文脈に沿った応答で、“本物の人間”だと詐欺師に信じ込ませます。
開発時には詐欺電話の録音などを使って学習させ、実際の詐欺パターンに対応できるよう調整しています。
“ハニーポット(おとり)”として番号を露出
Daisyの番号を詐欺師が狙うリスト(いわゆる「mugs list」)にわざと載せる。
詐欺師の通話トラフィックをDaisyに集めることで、実在の高齢者にかかる電話を減らす運用が行われています。
情報収集と可視化
長時間の通話で詐欺師の手口(誘導文言、要求する手順、使うアプリ名や決済方法)を“生のデータ”として得られるため、対策チームや当局が手口の把握・ブロックに使えます。
詐欺師にとって「時間=コスト」なので、連呼的に時間を奪えば詐欺の採算を悪化させる。
実際の被害者に直接かかる電話を減らし、詐欺の手口を可視化して他の防止策(フィルタ、ブロック)に活かせる。
デビュー以降、千件以上の詐欺電話に対応し、最長で約40分にわたって詐欺師を話に引き止めた事例が報告されています。
短期的には詐欺師の時間を奪い、実際の被害を減らす効果が期待されています。
参考資料 日本経済新聞 詐欺電話、AIおばあちゃんが手玉に サイバー空間で「代理戦争」幕開け
