NTTグループ あえて「テレワーク標準化」
NTTグループは「リモートワークを基本とする働き方(テレワーク標準化)」を掲げている。
コロナ禍をきっかけに、多くの企業がリモートワーク/テレワークを導入した。
一方で、感染拡大が落ち着く中で、「出社回帰(オフィス勤務への回帰)」を進める企業も少なくない。
そうした流れの中で、NTTグループはあえて「リモートワークを基本とする働き方(テレワーク標準化)」を掲げており、それを成長戦略と結びつけようとしている、という報道です。
NTT自体は、2022年6月に「リモートワークを基本とする新たな働き方(リモートスタンダード)」の導入を公表。
勤務地や働き方の自由度を高める制度変更を進めています。
従来の出社優位の流れに逆行するかのようなNTTの意図的な姿勢がわかってきた。
NTTがこうした方向を取る理由・メリット
人材確保・多様な働き手の活用
大都市圏以外の地域に住む人、転勤・単身赴任を避けたい人、育児・介護などで移動が難しい人など、勤務地に制限がある人材を採用・定着させやすくする。
また、求職者側で「リモート勤務を望む」意向は根強く、出社回帰を進める企業と比べて差別化する狙いもあります。
コスト効率化
オフィス賃料・光熱費・通勤交通費などのコストを抑えられる可能性がある。
特に分散型・サテライト拠点の活用で、コストと利便性のバランスを取る。
また、施設運営・オフィス維持の負荷を軽減できる余地があります。
地域浸透・地方創生との連携
勤務地制限を緩め、地方に住む社員を増やすことで、地方での事業展開や地域密着型のソリューションを強めることが可能。
地方拠点を活用したサービスや、地域へのネットワーク基盤強化など、事業的なシナジーを狙う可能性がある、というのが「地域浸透で成長」という表現の背景がある。
イノベーション・多様な視点
地域や異なる環境にいる人を交えた組織運営は多様性を促し、新しいアイデアや発想の融合を生みやすいという期待がある。
「固定のオフィスで顔を合わせること」が必ずしも最適ではない仕事も増えており、それを前提とした組織風土を育てたい意図も含まれていると考えられます。
従業員満足度・定着
働く場所・時間の選択自由度を高めることで、ワークライフバランスを支援し、社員のモチベーション維持や離職防止につなげる。
制度としても「ワークインライフ(健康経営)」を掲げていることから、社員の生活や健康にも配慮した方針と言えます。
報道や制度をもとに考えると、NTTが掲げようとしているこの戦略には一定の合理性があります。
ただし、成功するかどうかは実行と運用の精緻さ次第ともいえる。
すでに実態として、NTTグループではリモートワーク実施率が高い水準(2025年7月時点で57.5%)に達しているという数字があります。
他にも、異動の活性化など、組織流動性を高める動きも一定の成果を示しているという報道もある。
制度を導入した当初から「住む場所の自由度を高める」ことを重視しており、制度設計段階での意図と整合性が取れている点は評価できます。
参考資料 日本経済新聞 NTT、あえて「テレワーク標準」貫く 出社回帰より地域浸透で成長NTT
