高齢者向け住宅の高齢者 必要以上の介護サービス増加
高齢者向け住宅に入居している高齢者に対し、必要以上の介護サービスを提供し、介護報酬を過剰に請求するケースが報告されている。
特に、住宅と介護サービスを同一法人が運営している場合に起こりやすいとされている。
背景にある制度的な構造
1. 報酬単価とインセンティブの歪み
介護保険制度では、提供したサービス内容に応じて介護報酬が支払われる(出来高制)。
サ高住などでは、同一建物内で複数人にサービスを提供すれば効率がよく、利益が出やすい。
そのため、実際のニーズ以上の訪問介護や通所介護を組み合わせる事例が見られる。
2. 入居者が断りにくい環境
入居者は体調や認知機能が低下しているケースがあり、不要なサービスでも断りにくい。
また、事業者側が「必要だ」と強く勧めると、入居者や家族はそれに従ってしまうことが多い。
3. 見守りと介護の境界が曖昧
サ高住などでは「生活支援サービス」としての見守りや安否確認がついていることがある。
さらに訪問介護や通所介護を組み合わせることで、重複的なサービスが提供されるケースもある。
具体的な過剰サービスの例
① 毎日訪問介護で、同じ掃除・洗濯・買い物などを提供し、必要性を超えて実施
② 通所介護(デイサービス)を週5回以上利用させる(ほとんど通い詰め)
③ 「見守り」の名目で、実際にはほとんど介護の必要がない入居者にサービス提供
行政の対応
国(厚生労働省)や自治体は、過剰請求の是正やガイドラインの強化を進めている。
2024年度からは「同一建物居住者へのサービス」に対する介護報酬の見直し(抑制)も実施。
一部自治体では、立ち入り調査や返還命令が出された事例もある。
利用者・家族が注意すべき点
提案された介護サービス内容が、本人の状態と合っているかを確認する。
ケアマネジャーの提案が、事業者本位になっていないかを見極める。
サービスの見直しやセカンドオピニオンを求めることも有効である。
